保育内容

学童クラブは、保護者が就労等により昼間留守になる間、お子さんをお預かりする家庭の代わりとなる場所です。 当クラブでは、お子さん一人ひとりの発達の状況を踏まえ、卒業する(10歳)までに育ってほしい姿や、身に付けてほしい事を明確に捉えた上で、学童保育に求められる基本的な要素である「生活」「遊び」「学習」の3つの観点で、バランスの取れた保育を行っています。

生活

子ども達にとって学童クラブは放課後の長い時間を過ごす生活の場所、心から安心して過ごせる自分の居場所でなければなりません。「ただいま!」と帰ってくる子ども達を、「お帰り!」と支援員は笑顔で温かく迎え入れます。「ねぇ、聞いて聞いて!」と、子ども達は学校での出来事を周りの大人に受け止めてもらう事により安心し、自分らしさを取り戻します。支援員は子ども達一人ひとりの話に丁寧に耳を傾けながら、表情や身体の変化を細かく観察し、日々の受け入れを行います。

当クラブでは、子ども自身が生活全体に見通し持ち、主体的に生活が出来るよう配慮し、また、具合が悪い時にはゆっくり静養ができ、学校で嫌な事があっても帰って来ればホッとできる、そんな、安心して帰って来られる第2のお家のような場所であるよう心掛けています。

基本的生活習慣の習得

持ち物の管理や整理整頓、衣服の調整などの身の回りに関することから、手洗い、うがい、掃除などの健康や衛生に関すること、また、挨拶やマナーなどの行儀作法に関することまで、児童期に身に付けてほしい「基本的な生活習慣」を、クラブでの生活を通して、個々のペースに合わせ、無理なく身に付けられるよう援助します。

また、子どもが生活の中で自らの安全を守れるように、危険につながりそうな事に気付いたり、危険に直面した際に被害を最小限に留めるなど、子どもが自ら危険を回避できる力を身につけられるようクラブの活動の中で支援します。


おやつの提供

放課後から夕食までの間の栄養補給を考え、毎日決まった時間におやつを提供しています。おやつには栄養補給である補食としての役割の他、子ども同士が一緒におしゃべりを楽しむ団欒のひと時でもあるので、ゆったりとした雰囲気の中でおやつを楽しめるよう配慮しています。

おやつのメニューは、発達過程にある子どもが必要とする一日のエネルギー量を考え、また、食育の観点から季節の食材なども取り入れ、管理栄養士が作成します。また、週に2~3回、管理栄養士による手作りおやつも提供しています。


異年齢の集団生活を通して養われる協調性や社会性

近年、少子化などで異年齢の子ども同士が関わる機会やコミュニティが減少する中、学童クラブでは、異年齢の子ども達が兄弟姉妹のように様々な遊びや活動を通して関わることで、色々な考え方や異なる価値観に触れ、協調性や社会性を身につけます。また、ルールを守るなど社会生活を送る上で必要な規範意識や、一人ひとりの個性を認め合うことで他者を思いやる道徳性も養います。

異年齢のコミュニティの中で、年下の子は年上の子への信頼や憧れから「同じようにやってみたい!」という意欲や好奇心が広がっていき、また、年上の子は集団の中でリーダーとなって年下の子のお手本になる事で自信を持ち、教えてあげることで自分の力として定着させていきます。

遊び

子どもは豊かな遊びを通して、運動能力、社会性、創造力等が発達し、集中力が身につくと言われています。児童期の子どもにとって、この人間の基礎的な能力を身につける「遊びの時間」は、とても重要なものとなります。当クラブでは、保育の中で充分な遊びの時間を確保するとともに、子どもがその時間の中で主体的に遊び込めるよう配慮しています。

また、主体的な遊びの原動力でもある「見たい、知りたい、やりたい」という子どもの好奇心を常に察知し、興味を持った遊びに没頭できる時間や環境を保障するよう務めています。

子どもの遊びを豊かにするための環境構成

子どもの自発的な遊びは、その活動場所や活動内容が多様であることによって、その幅がより広がっていきます。子どもの遊びをより豊かなものへと発展させるため、子どもの年齢や発達の状況、その時々の心身の状態等に応じて、子ども自身が遊びを自由に選択できるよう、室内外の環境を整えています。

・屋外遊び
屋外での遊びは、子どもの心身を解放し、運動能力を向上させます。また、思い切り体を動かし発散する事で情緒が安定し、その後の活動(学習など静的な活動)にも落ち着いて取り組めるようになります。 当クラブでは、屋根付きの園庭により、一年を通してほぼ毎日外遊びを行うことができます。また、園庭にある自然物等を通して季節の遊びを経験したり、生き物のお世話を通して命の大切さや命の繋がりを学ぶことができます。

・室内遊び
室内の遊びでは、子どもが過ごしやすいように、静かな遊びやごっこ遊び等ができるスペースと、活動的な遊びのスペースを分けるなど、静的な活動と動的な活動がメリハリある空間構成を工夫しています。 室内には、遊びを豊かにするために必要な遊具や図書、子どもが自主的・創造的に遊ぶことができる素材等を常に整え、また、伝承遊び等も取り入れながら、発達段階に応じた多種多様な遊びが展開できるよう環境を整備しています。


クラブ外保育や行事等を通じた多様な経験

・クラブ外保育
小学生になると、遊び仲間や活動範囲が地域に広がることで、子どもの興味・関心も大きく広がり、遊びの内容やその規模も大きく変化していきます。当クラブでは、下校時間が早い日や朝からクラブに来る日には、出来るだけクラブの外に出て、周辺にある公園や図書館等地域の公共施設等を積極的に活用し、屋外での遊びや活動の幅を広げています。

また、学童クラブに在籍していない子どもとも交流を深められるようにするために、児童館や学校の校庭、体育館等の利用ができるよう、地域の関係機関とも連携を図っています。

・行事
クラブでは、年間を通して多くの行事を行うにあたり、出来るだけ子どもが主体的に参加し、自分たちで意見を出し合い、企画や活動を作り上げていく機会が持てるよう配慮しています。 子ども達は行事の企画や実施の過程において、自分で考えること、お互いの意見や価値観の違いに気付き、話し合いによって意見をまとめていくこと、また、責任を持って最後までやり遂げること等、多くのことを学びます。

年齢や発達の状況が異なる子どもが一緒に活動していることに十分配慮した上で、一人ひとりが無理なく安全に参加できるよう支援しています。

学習

幼稚園や保育園では遊びが活動の中心であった子どもも、就学すると各教科の授業を時間割に沿って学習するようになります。子どもは学習の中で、多くの「わかる」「わからない」という経験を重ねることにより、「今はわからなくても、やがてわかるようになる」という確信を持てるようになり、それが様々な場面での自発的な学習につながっていきます。

学習活動を自主的に行うための静かで落ち着いた環境

毎日30分間(朝から来る日は午前1時間、午後30分間)静かに落ち着いた環境で学習や読書をする時間を設けています。学習の時間には、学校や塾の宿題や家庭のドリルなどを行い、また、宿題等がない場合でも、時間内は静かに読書をして待ちます。

保護者と相談の上で、できるだけ宿題はクラブで終わらせるようにし、日々の学習の習慣が身につくようにします。特に低学年のうちは、家に帰り夜遅く宿題をすることは、子どもにとって大きな負担となるため、クラブで毎日宿題の確認をします。


集中して学習に取り組むための工夫

毎日、学習の時間の初めに1分間の瞑目(姿勢を整え目を閉じる)を行います。心と呼吸を整え、学習に取り組む準備をします。また、出来るだけ学習の時間の前に外遊びを行い、思い切り体を動かし発散する事で情緒を安定させ、落ち着いて学習に取り組めるようにします。


読書の習慣を身につける

月に一度、地域の図書館へ自分達の読む本を借りに行きます。低学年のうちは絵本や図鑑など、文字の少ないものも多く見られますが、毎日の学習の時間などに読書をする事により、自然と読書の習慣が身につくようになります。


文化施設の見学

毎年夏休みに文化施設を訪れ、文化的活動に触れる機会を作っています。博物館や科学館、水族館など、毎年テーマを決め、夏休みに実施しています。